はじめまして!多摩あん子と申します。大阪暮らし、50代の非正規雇用。つまづいてばかりの人生ですが、毎日マイペースに暮らしています。
この記事では、20年の借金生活から債務整理を経て完済するまでの体験をまとめました。
具体的には、クレジットカードの多重債務から立ち直るまでについてお話ししようと思います!
今まさにこの時、借金に悩んでいる方の参考になれば嬉しいです。
買い物依存症だった20代
若いころのわたしは、物欲が強くて、お金の管理が苦手。
「ほしい!」と思ったら手元にお金がなくてもクレジットカードでどんどん買っていました。
さまざまなものを買いましたが、なかでも服飾品に費やすことが多かったです。
いま考えると、完全に買い物依存症だったのだと思います。
20代ですでに、クレジットカードの支払いが遅れがちになっていました。
そこから増えていく借金に心の不安は増すばかり。
カード会社からの請求書が届くたびに心臓がきゅっとなり、冷や汗をかいていました。
そんなわたしが選んだのは、おろかにもカードを増やすことと、キャッシングに手を出すことでした。
リボ払い・自転車操業の30~40代
30代になると、クレジットカードでキャッシングをした現金を、別のカードの支払いに充てるという自転車操業状態に。返済はすべてリボ払い*です。

*リボ払いは、支払い額を毎月一定にできる仕組みですが、実は利子がとても高く、完済に非常に時間がかかる落とし穴もあります。
いまならリボ払いの怖さがわかりますが、当時は「自分を救ってくれる支払方法」ぐらいに考えていました…浅はかですね。
ついには消費者金融で借金までするようになってしまいました。
そしてそのまま40代に入り、「もう無理!(借金で首が回らない!)」という状況に陥ります。
そのころには、クレジットカード会社と消費者金融への借金の合計が100万円以上になっていました。
もうどこをどうしぼっても返済のお金が工面できない。毎日借金のことばかり考えて、不安で夜も眠れない…。
ついに「債務整理**しかない!」というところまで追い詰められてしまいます。
「もう無理!」からの債務整理
債務整理をサポートしてくれる弁護士事務所等があるのは、テレビCMや電車の吊広告などで知っていました。
どうにも首が回らなくなったわたしは、ネットでそうした事業者を探し、東京の弁護士事務所に債務整理を依頼をすることにしたのです。
当時関西(京都)に住んでいたわたしが、東京の弁護士事務所に依頼をしたのには理由があります。
ひとつは、物理的な距離が遠いほうが、職場など自分のまわりの人にばれるリスクが減ると考えたからです(実際には、地元の弁護士事務所に依頼しても、周りの人にばれることはないでしょう)。
もうひとつは、遠くの事務所に依頼することで、自分の恥が軽減されるような気がしたからです(そんなことはないのですが…)。ちなみに、事務所に行かなくとも、電話と書類のやりとりだけで手続きができました。
弁護士事務所の担当者から借金の状況の詳しい聞き取りがあり、債務整理の方針が決まりました。
利子は免除してもらい、返済分は毎月弁護士事務所に支払うことになったのです(渡ったお金は、弁護士事務所から債務先に支払っていたと思われます)。

**「債務整理」は、借金をそのまま放置せず、ちゃんと整理して返せるようにするための手続きです。今回のケースでは、弁護士事務所に依頼して、任意整理で利息をカットしてもらい、4年間ほどで返していくことになりました。ほかにも個人再生や自己破産などの方法があります。
完済を目指してひたすら進む
それからは、毎月25,000円ほどを4年ほど返済し続けました。
25,000円と聞くと「え?そんなものなの?(そんな少額なの?)」と思われる人もいるかもしれません。でも非正規雇用でひとり暮らしをしていたので、返済は決して楽ではありませんでした。
ただ、弁護士事務所から返済計画書が送られてきており、「〇年〇月に最後の振り込みをしたら借金がなくなる」というゴールが見えていたので、がんばることができたのだと思います。
それまでの、いつ終わるともしれない借金地獄から解放されたのは本当に嬉しかったです。
弁護士事務所への費用は別途6万円ほどかかりました。借金まみれで首が回らない状態で、その金額を用意するのがとても痛かったのを覚えています。
ただこの6万円は、人生の勉強代、そして自分の未来を守る料金としては、決して高くはなかったといえるでしょう。
避けては通れないペナルティ
もちろんいいことばかりではなく、大きなペナルティもあります。
債務整理をすると、新たなクレジットカードを作ることはしばらくできなくなります。わたしが新しくクレジットカードを作ることができたのは、借金を完済してから5年ほど経ってからでした。
クレジットカード会社によっては審査が厳しいからか、返済から5年以上経った今でも、デパート系のカードなどは審査が通らず作ることはできません。
それに、しばらくは、新しく賃貸に引っ越す際に毎回「審査に通らないんじゃないか」と不安になり、不動産屋さんから「審査通過」の連絡があるまで生きた心地がしませんでした(幸い、なぜか引っ越しではひっかかりませんでした)。
借金ゼロ、今のわたし
20年の多重債務生活を振り返ると、つつましくも借金ゼロで暮らせている今がとても幸せです。
お金のことで頭がいっぱいで、常に返済に追われていたあの頃(それでも買い物がやめられなかったあの頃)には二度と戻りたくないし、絶対に戻らないと言い切れます。
というのも、にっちもさっちもいかなくなってからようやく、借金をしてまで買い物をしてしまう自分の内面と向き合うことができたから。このことについては、また別の記事でくわしく書きますね。
数年前に借金を完済してからは、少しずつ貯蓄もできるようになりました。
本当に欲しいものは買いますし、脱毛などの美容にもお金を使っていますが、生活に支障がない範囲でおさめることができています。買い物をする際の、「いる・いらない」の判断も迷いなくできています。
いまの50代という年齢を考えると、平均より小さな生活だと思いますが満足しています。
そして、まだこの先続く人生を自分なりに楽しみながら大切に生きようとしています。
ここまで、わたしのつまづきエピソードを読んでいただきありがとうございます。
もし、わたしと同じように多重債務で悩んでいる方の参考になればさいわいです。
※ちなみに、債務整理は家族や友人などに知られずに実行することが可能です。わたしもそうしました。債務整理がはじまってからごく親しい友人には打ち明けましたが、家族はいまだに知らないままです。
【免責事項】
この記事はあくまで筆者の体験談です。借金やお金の問題にはそれぞれ事情がありますので、同じ状況の方は専門の窓口(弁護士や司法書士など)にご相談されることをおすすめします。

